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2015年4月24日 (金)

第四話【支部の二重構造の話】

第四話【支部の二重構造の話】

道将連の支部と日将連の支部とは別組織です。
道内各地の支部は、そのどちらか、又は両方に加盟しています。

日将連からの連絡は東京からの通知、道将連からの連絡は札幌からの通知。

(1)イベントが重なってしまう。

こんなこともありました。
2013年10月の十勝川温泉での佐々木治夫杯の日、その同じ日に富良野でプロ竜王戦が行われていたのです。
なにも同じ日にやらなくたって、と思うのですが、互いに連絡していないので、そういうこともあります。富良野支部が日将連に熱心に働きかけて竜王戦を誘致したのです。そういう活動は立派で、とても御手柄だと思います。
でも道内ファンは富良野か十勝かどちらかにしか参加できませんでした。
もったいない。

(2)地区予選は各地で平等か。

全道大会の地区予選は各地の道将連の支部が行うことが多いのですが、そうしますと日将連の支部はあるけど道将連の支部はない、という地域(例えば先ほどの竜王戦を誘致した富良野支部)では予選が無いということもあります。他にも空知地区(の中央部)など支部の存在しない地域は予選空白地帯かもしれません。

逆に、今までは大きな町だったところでも人口減少・高齢化で、将棋もあまり指されなくなった地域であっても、道将連の支部が今も残っているというだけで地区代表が全道大会に出られたりします。
かつてほどの人数のいない支部も従来と同じように代表権が配分されていたりするわけです。
ところによっては、わずか数人で地区予選を行っていたりします。

(3)支部内での日・道、双方参加の調整

 日将連の支部には日将連からの支援があり、道将連の支部には道将連からの支援があります。
なので、ある支部では、両方に加盟しているのですが、そうしますと支部としての会費も両方に必要です。
 そこで、同一支部内で工夫します。
 ひとつの支部の全メンバーを(a)(b)二つに役割分担して、(a)日将連の会員として日将連の会費を負担して日将連に登録する支部会員と、(b)日将連の支部会員には登録しないで、しかし会費はその支部に支払って、そこで集まった資金を道将連への加盟参加費用(道将連会費)に充当する、と。
 なるほど、良く出来た工夫ですけど、何か不自然さを感じます。
 そんなことしなくても普通に楽しめる仕組みの方が良いのでは。

(4)日将連からの送金は誰が収受するのか

日本将棋連盟主催・後援の地方イベントは、日将連は、その地のアマ団体に実施を依頼しています。
たいていの北海道予選や札幌地区予選は、日本将棋連盟札幌支部または道将連に依頼が来ていました。
日将連はその運営経費として所定の金額を送金してくれることもあります。
その送金や参加者からの参加費の中から、人件費や通信費、会場借上代(道会館貸室料金)を負担し、その結果余ったり足りなかったりした差額は、その多くは道将連の財布・金庫の中で収支調整されてきました。

ということは日本将棋連盟札幌支部宛のイベント依頼であっても道将連の収支に組み込まれたりしていて、ちょっと変ですが、札幌支部も道将連も一身同体的な組織なのでしょう。
でも不自然さは否めません。

(5)日将連の支部会員専用サービス

日将連では各地の支部・支部会員向けサービスのひとつとして全国大会(支部名人、支部シニア名人、支部団体戦)を設けています。本道からも毎年、代表者が出場しています。

その北海道予選には、日将連の支部会員だけに出場の権利があるのですが、札幌支部・道将連の北海道での運用では、「日将連の支部会員でなくとも参加できる。もし地区優勝して全国大会に行くことになったら、その時に支部会員登録したら良い」と変則的です。
 つまり日将連支部会員に限らず道将連支部会員でもその他の誰でも参加できるのです。
 これは、日将連からの日将連支部会員へのサービス給付を、他の将棋ファンにも流用しているということなのですが、やはり不自然。
 きっと道将連の支部会員にも参加のチャンスを与えようとの苦肉の策なのでしょう。

(6)札幌支部会員だけ安い大会参加費

札幌の諸々の地区予選に参加するには、各大会ごとに所定の参加費を支払います。
その参加費は「日本将棋連盟札幌支部」の会員は「その他の参加者」よりも安く設定されています。この理由が良くわかりません。

日将連主催・後援の大会ならば「日本将棋連盟札幌駅前支部」や「日本将棋連盟札幌中央支部」の会員であっても同様に優遇し取り扱うべきではなかろうかと思います。

むろん札幌支部は札幌地区予選の運営を担っていて汗をかいている。しかも、ほとんどボランティア。
だからその支部会員はせめて参加費で優遇されるのが望ましい。という考え方もあるでしょう。

しかし必ずしも札幌支部会員登録した人が、現実に運営を手伝ってくれているとも限りません。

実際は「支部会員登録すれば支部会費を負担しても何回か地区予選に参加するのなら参加費割引がお得」と考える人は札幌支部に登録し、「今年は仕事が忙しくて何度も地区予選に出られないから支部会員登録はしないでおこう」と考える人は登録しなかったりしています。

現状ではどうやら「支部会費を負担して大会参加費割引を受ける」かどうかだけの選択になっています。

こうした登録により集まった日本将棋連盟札幌支部会員は、同時に自動的に道将連の札幌支部の会員でもあるとされています。

札幌支部会員だけが参加費割引を受ける制度は、なんだか合理的とは思えません。

(7)将棋指導員の受験資格

日本将棋連盟はアマ三段(女性は二段)以上で将棋指導に熱意のある者を将棋指導員に公認して普及の後押しをしています。情報提供や推薦文書交付、教材支給、プロ棋士派遣優遇など時々の特典を用意しています。指導員試験に合格したアマを支援しています。

 しかしその試験は、日将連の支部会員でなければ受験資格がありません。ですから道将連の会員であっても日将連の指導員試験を受験したい場合、どこかの日将連支部に会員登録してから受験しています。

(結論)
こういう矛盾・不具合・不自然を道将連と日将連の支部の「二重構造」と呼び、問題視するというか、もっと何かスッキリうまく整理できないものか、という声も聞かれるのです。別に日将連と道将連とは喧嘩してるわけじゃないのですから、気の利いた調整機関が欲しいのです。

 そもそも道内に二つの組織があるのですから「二重構造」となるのは、むしろ当然と言えます。

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